
国分寺の境内には小さな桜が、何本か植わっているのですけど、一本一本にセミがたくさんとまっていました。
あ・・・ワタシ虫は全然平気な人なので、特定の虫を除いては平気で触れます。
なので、子供の頃を思い出して、セミの下の方からそぉ~~~っと、手を近づけて・・・
クマゼミはびぃ~~~~~~~~~~~!!
捕まえるととってもうるさい。
子供の、大きな竹竿にみかんの入っていた小さなネットと針金で小ぶりの虫取り網を作ってもらって、それでセミ取りをしたのを思い出します。
ワタシのころはもうトリモチはあんまり見かけず、そんなのが主流でした。
あとで聞いたら、トリモチは鳥の乱獲が祟って、おおっぴらに販売できなくなったようでした。
なぜか、この境内のセミたちはおとなしく、おぎょうぎよく、しているように見えました。
とりあえず、♂たちは♀を獲得するため必死のパフォーマンスをするわけです。
パフォーマンス中は樹に口吻を突き立てることもなく(口が針のようになって、さして樹液を吸うのですね)、とにかく一心不乱に鳴き続けます。
ここでも、セミは鳴いていましたけれど、ほかで聞くよりもうるさくはなく、でも、他で見るよりもずっと濃い密度でとまっていました。
おそらく一本の樹に数十匹はいたと思います。
桜の樹の樹液は甘くて美味しいのでしょうか?
この写真では、はっきり突き立てているのがわかりますよ。

クマゼミです。
シャワシャワシャワシャワと大音声で鳴くのですが、この蝉も鳴いてなかったですね。
♂なのは確認済み。
クマゼミはほかのセミに比べて、頭でっかちで、尻すぼみなんですが・・・♂はおしりが丸いのに対して♀はおしりがとんがっています。
だから、裏返して音響板を確認しないでも(アブラゼミはわかりにくいです)すぐに雌雄の区別がつきます。
ほら・・・こんなふうに

おしりがとんがっているので、♀です。
とんがっているのは、産卵管があるから。
夏も終わりになると、セミたちは樹の根元の方に降りて行って、そこで樹皮の中に産卵します。
孵化した幼虫は、そのまま地中に潜って樹液を吸いながら幾ばくかの年月を過ごすことになります。
セミの種類によって決まっている・・・とよく言われるのですけど、確かに一定条件下では同種のセミが同時に成虫になってくるということは多いようですが、必ずしもそうとは言えないようです。
個体差が大きくて、1年で成虫になるものもいれば、10年かかるものもいる、そういう感じらしいです。
樹の栄養が少なければなかなか大人になれないわけです。
その点、二十歳になったら大人、とか言われちゃう人間は気の毒だ・・・ってセミは思っているかもしれません(笑)
ちなみに、クワガタもそんな感じらしくて、標準的には2年くらいで成虫になるんですけど、もっとかかるのもいるらしい。
カブトムシは一年なのにねぇ。
昆虫の世界って、おとなになっても興味深いです。
堤中納言物語の中に「蟲愛づる姫君」というお話がありますが、この際、気持ち悪いとか、そういう先入観は取っ払って観察してみてはいかがでしょうか?
確かに気持ち悪いと思いつつも、自然の造形デザインの面白さとかも見えてくると思うんですよ。
セミの近隣には、ツノゼミやらハゴロモやら、はたまたカメムシやらがいますが、彼らの造形デザインの奇抜さはおもしろすぎて、かっこ良ささえ感じます。
大丈夫、見るだけなら臭くも気持ち悪くもないですから。
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