本屋に必要なものはなにか? と考えた。
店員の本に対する愛情と深い知識、これは必須ではない。
現に、そんなものもなく運営されている本屋は山ほどあるし、どこにどの手の本があるかわからない店員も多いと思う。だからといって、その本屋が素晴らしくないとは言えないし、だいたい愛情を持っていたり知識を持っていたりする店員がすべてでなくてもいいとは思う。
出来れば持っていて欲しいと思うし、誇りを持って仕事をして欲しいとも思うが、ただ、お給料とのバランスを考えると、そうそう高い要求はできないように思う。
今や、本屋もアルバイトやパート社員で成り立っているわけで、慣れに伴って商品知識が深くなってくれないと困るとは思うが、まずはお客様をお待たせしない手際の良さが身につくのが先だと思う。
お待たせしないなんて、客商売では当たり前のことなんだから。
とにかく、店員の資質は必須ではない、ということだ。
失礼がない程度に、手際が良ければ客は文句を言わないはずだ。
基本、本屋に来る客に、物分りの悪い客はあまりいないだろうと思うし。
設備面では、もちろん明るい店内っていうのは必須。
基本、立ち読みが不可能な本屋など、本屋に値しない。
昨今は雑誌の付録が多くなり、漫画の立ち読みがあまりにも多くなったので、中身が見られないよう、物が抜かれないように袋をかけたり、バンドを掛けたりする店が多くなっているが、あれは結構邪道だとは思う、本を選ぶ立場からすれば。
長時間の立ち読みはたしかにどうかと思うが、ちっとも中身を見ないでその商品がいいものか悪いものかを判断するのは大変である。
ワタシくらいなベテランになると、雑誌の目次を見ただけで大体の内容はつかめるが、素人にはそうもいくまい。
さしものワタシでも、漫画の表紙を見ただけで中身を見ぬくことは出来かねる。
それまで何巻も買い、何十回と読み返した本ならば、表紙タイトル、裏書だけで内容が想像はつくのだが、本の楽しみはその行間にある。
内容は、特殊な能力によってわかっても、行間を読んで、深く親しまなければその内容に浸ったとは言えまい。
とにかく、内容を想像して判断しても、買うかどうかは、やはりその文や、絵などをちょっとつまみ食いしてからでないと、美味しいかどうかは分かりかねる。
味見は出来るだけは、必要だということだ。
まったく味見不可能なコンビニでは、基本的に定期的だったり、その前の話を知っていて、続きだから、という理由でしか本は買わない。
たまに味見できるものがあるときは、少し味見してから買うことにはしている。
だいたい味見もしないで買った本など、結局読みもしなかったりするから不思議なものなのである。
で・・・
本屋は明るくて、清潔で、本屋的立場から立って、セキュリティが万全なものがいい・・・で果たして済むのか?
客も人間。
店員も人間。
人間以外、いや、動物以外が接客するのであれば、不必要なものだが、そうでない以上は、絶対に必要な施設がある。
店内になくても周辺に、いや、出来れば店内にあったほうがいい。
なぜか人は、本屋に入るとトイレに行きたくなるのである。
もちろん100%ではない。
行きたくなったことなぞない、という人が90%を超えるのかもしれないが、本屋に行くと必ずトイレに行きたくなったり、行った経験があるという人はかなりの数いると思う。
小さい方の場合は、入ったときに行ってしまうパターンが多いと思うが、おそらくは予兆が顕著でわかりやすいからだろう。
だいぶ経ってから行くパータンというのは、それはかなりの時間本屋にいたということであって、粘り過ぎである。
本好きなら粘り過ぎもあるだろうし、目的の本が見つけられなくて粘っている可能性もある。
問題なのは、かなりの数の人が大きい方に何故か突然行きたくなるという現象があるということだ。
なんの予兆もなく、本の山に囲まれているだけで大きい方に行きたくなるのはなぜだろうか・・・それについては多くの方が様々な憶測を述べられているので、ソッチの方を参考にして欲しい。
曰く、新しい本から発せられる揮発性の元素が、大きい方の排泄を促すであるとか、本に囲まれた閉鎖空間が、排泄を促す(だからトイレの個室は狭いのだ・・・みたいな)感覚を刺激するのだとか。
とにかく、行きたくなるのは事実で、ワタシにおいてはおそらくは25%くらいは発生するのではないかと思っている。
したがって、本屋に必要な物は、清潔なトイレであり、できうれば和式よりも洋式が好ましい。
本を買ってまずしなければならないことは、中身の確認である。
たいていの商店では、店内で中身を確認することはできない。服飾店などでは可能だが、本屋でも店内で買ったものを広げて確認するなど出来る話ではない。
だから、店内から一歩も出ず、中身を確認することの出来る場所としては普通の本屋ではトイレの中くらいしかその居場所がない。
ワタシの場合、トイレに行きたくなったにかこつけて、漫画の場合はビニールを引っちゃぶいて、ことを済ませる間トイレで読んでいたりする。
今日のは字が多くて読めなかったんだけどね。
字の多い漫画ばかり読んでいるのは、どういうわけかわからないけれど、ワタシの場合は多いな・・・(;^ω^)
とにかく、本屋に必須な施設は、トイレである。
出来れば使いやすいトイレであって欲しいが、今日のトイレはちょっと使いにくかった。
なんとなれば、やたらと紙が引き出しにくかったのだ。
なぜかロールがちゃんと回らず、ちょっと出しては切れ、ちょっと出しては切れ・・・
仕方がないので、左手でそろそろ回しながら右手でそろそろ引き出す(ホルダーは左側にあった)という作業をしなければならず、かなり面倒くさかったのであった。
女子トイレといえば、カラカラカラカラっ! って音がつきものなくらい、軽快にトイレットペーパーを引き出す音がアチラコチラから聞こえるくらいで、遠慮気味に引っ張りだしている音などあまり聞いたこともない。
おそらくは、かなり頻繁に紙を替えないと大変だろうとは思うのだが、どうやら皆さん習慣になっているようで、自宅のトイレでもなければ節約して使うなどありえないのだろうと思う。
だから、あの引き出しにくさは、トイレットペーパーを無駄にするなっ! というお店側の警告なのかもしれない。
おそらくは万引きなどでも困っているのだろうし、メンドクサイなぁ、と思いつつ、お店にも協力してあげなければいけないな、と少しだけ思ったワタシなのであった。
