常連さんが来た。
ワタシがお店に出るのは、平均して週2~3回だから、よく顔を合わせるのがこちらの周期に合っているのか、それとも、頻度が高いだけなのかはわからないけれど、機会はとにかく多いように感じる。
そのたび結構な金額を払われるのだから、たぶん重要なポストにある人なのだろうと思う。
基本、紳士であるし。
ホステスさんと一緒にこちらもたまに会話に交じることがある。
基本、ほかの業務が多いのであまり時間は取れないのだけれど、ちょっと口を挟んだり、と言うことはたまにある。
会話の盛り上がりを邪魔しないように、言葉を切らないように注意しながらではあるけども。
この間は、少し話をしていて、「じゃあちょっと、あんたもたまには飲みなさい」と・・・
お酒でもとは言われたが、「女の子送らないといけないので」とお断りしたら、「じゃあ、ジュースでも飲みなさい」ということになって、自分でジンジャーエールをついで、伝票つけて、乾杯して、ありがたくいただいた。
ホステスさんではないから、ワタシがお客さんに何かをいただくことはまずない。
基本、忙しく飛び回っているから、一つところでとどまっていることも少ないし、会話もあまりないから、接点自体が少ない。
こちらはあくまで裏方で、影のような存在であるわけで、必要以上の会話をすることもないし、話を振られなければ自分のことを語る機会はないのだが、たまたま昨日は、その機会に恵まれた。
「胸はホンモノかい?」
「ええまあ、何も入れてませんよ」
「そっか、結構大きいよねぇ」
「はい、Dカップなんですけど」
同伴してきたホステスさん(本当は才女で苦労人なのだ)に向かって、
「お前より、大きいなぁ・・・」
こちらとしては・・・(;^ω^)という気持ちである。
その後、彼女がトイレに立ってしまったので、しばらく一人で接客させていただいた。
ひと月で、Aカップ。ふた月で、Bカップ。み月で、Cカップ。半年でDカップといういつもの話。
「大きくなったはいいけれど、これすごく痛かったんですよね」
なにもないところから、山が、どんどんこれくらい大きくなっていくわけだから、と手で示すと、
「なるほどなぁ・・・そりゃ、痛いわな」
と、その時ちょうど帰ってきた女の子に会話は振られ、
「どうだ、お前も思春期の頃は、そんな感じだったか?」
という話で、その日のワタシとの会話は終わり。
ワタシはお店ではキワモノであるけれど、バケモノではない扱いらしい。
性別のことはことさら隠すと、キワモノ扱いではなくて、バケモノ扱いされそうだったので、最初からオープンにすることにしたのだ。
一風変わったやつがいるけど、普通の人間だし、ある程度は女性としてパスしているので話をしていても違和感は少ないのだろうと思う。
ワタシとしても、ちょっと時間のとれる時なら会話を楽しみたい気持ちもあるので、お客さんと話をするのにはやぶさかではない。
たとえ、それで時給が上がらないとしても、基本ワタシ目当てでお店に来ているのではないのだから仕方ないとも思うし。
ただ、何だかじっと黙っているのは性に合わないだけだ。
できうるなら、職務に支障がない程度で話をしてみたい。
あまり時間を取られすぎると、業務に差支えが出るし、その分ほかのメンバーの負担が増すわけで、程々にとは思っているが、話をすることでお客さんがまた別の意味で満足するのなら、それはそれでいいのではないか、とも思う。
ってか・・・昨日一緒だったもう一人のメンバーさん。
もう少し動いてくれよな~って感じ。
ホントに昨日は七割こちらで動いていたような気がするくらいで、伝票だって、ほとんどワタシがつけたのだ。
ホントに、勘弁してよ・・・である。
動いてくれてたら、もう少しお客さんに張り付いてたんだけどなぁ。
なんにせよ、何だか充実したようなしてないような、一日ではあったね。
